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有限会社 金文堂信濃屋書店
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今日の一言

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積読(つんどく)

2019-08-22
皆さま、大変お久しぶりでございます。お盆休みはいかがお過ごしでしたでしょうか?
たっぷりお休みをいただいた結果、仕事行きたくない病を発症中の山本でございます。
 
さて、早速私事で恐縮ですが、人生で初めて『積読(つんどく)』を経験しております。
積読とは、購入はしたものの読了していない本が複数ある(積まれている)状況です。
私の場合、まだ読了していない本があるのに面白そうな本を見つけ次第購入してしまうことが原因です。
 
これ、個人的には一種の職業病なのでは…と思っているのですが、書店で働いておりますと、
お客様がお求めになった本が、調べてみると今は絶版なんてことが多々あります。
しかも、そういった本に限って面白そうだったり…。
 
そんな場面に多く遭遇しているせいか、面白そうな本を見つけると、まだ読了していない本があっても
ついつい買ってしまう……その繰り返しの結果、自宅にある本の山が少しずつ高くなっていっております。
 
元々は読書に対しては苦手意識を持っていたため、まさかそんな自分の人生において、
読みたい本が多くて困ったり、積読という現象が起こるなどとは思ってもみませんでした。
子どもの頃嫌いだったピーマンを大人になって食べて「美味しい」と感じたとき以来の衝撃です。
人生って、本当に何が起こるかわかりませんね…。
 
そんなわけで、一冊読み終えては積んである本に取り掛かることの繰り返しなので、
こちらの更新が滞っておりますが、いつかまとめて「おすすめ本」に感想を掲載しようと考えておりますので、
叶った日にはぜひご覧いただければと思います。
 
それでは、今回はこの辺りで失礼いたします。

変化と多様性に拓かれた大学の祝辞

2019-05-13
皆さま、お久しぶりでございます。
誠に勝手ながら、忙しさから更新を一時お休みさせていただいておりました山本でございます。
 
さて、2019年4月12日、東京大学の入学式が行われました。
入学式では、大学側から依頼を受けた東京大学名誉教授の上野千鶴子氏から新入生へ向けて祝辞が読み上げられました。しかし、その内容をめぐってネット上では賛否が分かれています。
上野千鶴子氏といえば、社会学者(専攻は家族社会学、ジェンダー論、女性学)としての他にも、日本の数少ないフェミニストとしても有名な方で、その方の祝辞が物議を醸しているということは個人的にとても興味深い話題でした。
 
肝心な祝辞の内容については、東京大学のホームページにて全文が掲載されておりますので「一体祝辞のどの部分が物議を醸しているのか」とご興味を持たれた方は、ぜひご一読ください。
物議を醸しているらしい祝辞の全文を読み終えた私には、彼女の祝辞はまさに「激励」のように感じられましたが、その一方でこの祝辞を「おめでたい雰囲気に浴びせられた冷や水」のように感じ、苦々しい反応や、思わず感情的になって反発してしまう人々の声を耳にしたり、目にしたりもしました。
 
男尊女卑が染みついた、家父長制の根強い社会において「フェミニズム」という思想・運動はある意味「男性優位社会の問題点を指摘するもの」であり、男性優位社会を好意的に捉えている人々にとっては「口に苦し」として、忌み嫌われやすく、攻撃の対象になりやすい傾向があるように思います。
 
上野千鶴子氏の祝辞は見事にこういった反応を引き起こし、どういった人々がどう反発するのかを可視化させたことによって、彼女が指摘した問題点がかえって信憑性を増し、問題提起として素晴らしいものであったことを証明しているように思えます。
 
大学入試において女性差別が横行していた事実が発覚した翌年の入学式において、このような祝辞を読み上げたことはとても重要であり、まさに変化と多様性に拓かれた大学が社会に変化をもたらす大きな一歩を踏み出したように感じ、祝辞全文を読み終えたあと静かに感動したことを覚えています。
 
また、祝辞の中には、実際に起きた東大生による事件をモデルに書かれた『彼女は頭が悪いから』も取り上げられていました。この本が炙り出した問題点と、上野氏が祝辞を通して東京大学の新入生に伝えたかったことはとても似ています。今回の話題を通して、あらためて『彼女は頭が悪いから』はおすすめしたい一冊となりました。
 
そんな2019年東京大学入学式の祝辞全文を、皆さまもぜひ読んでみてください。

小倉百人一首

2019-01-04
皆さま、新年あけましておめでとうございます。
2019年も金文堂信濃屋書店をよろしくお願い申し上げます。
当店は本日から営業を開始しております。
 
さて、皆さまはお正月をどう過ごされていますか?またはどう過ごされましたか?
私は、かるたをしようと「小倉百人一首」を久しぶりに覚え直しました。
百人一首を覚えるのは中学校のとき以来でしたが、好きな歌というのは十何年経っても覚えているものですね。特に私は恋の歌が好きだったので、そういった歌は不思議と下の句もすっと出てきました。
 
また、今回覚え直した中では
「明けぬれば 暮るるものとは 知りながら なほうらめしき 朝ぼらけかな」
という歌が印象に残りました。
夫と恋人だった時代を思い出して、こんな歌のひとつでも歌えれば、
より素敵な逢引になったかもなあ…なんてひとりで物思いにふけってしまいました。
 
中学生時代には面白みを感じなかったものですが、年齢を重ねた今覚え直すと、
一句一句が味わい深いものに感じられて楽しいです。
また、時代も流行りも違えど、素敵な歌は人生も豊かにしてくれるなあと改めて思いました。
皆さまもぜひ、好きな歌を見つけてみてください。
 

山本
 
 
 

彼女は頭が悪いから

2018-12-28
先日のおすすめ本にてご紹介いたしました『彼女は頭が悪いから』。
内容を見返してみて、納得がいかなかったため紹介文を書き直しました。
もしよろしければ、修正後の紹介文もご覧ください。
 
これほど紹介文を書くのに苦労した本は初めてだったかもしれません。
期間にしておよそ1か月。書いては消して、書いては消してを繰り返しました。
本書のことを考えると、私では到底「簡潔に」魅力を伝えることができない、と何度も挫折し、
ようやく「魅力の一端くらいはお知らせできているかな…」と思える文章が書けた気がしたので
(気がしているだけです)、今回の大幅修正に踏み切りました。
 
著者である姫野カオルコさんの緻密な描写によって、本書は様々な魅力を放っています。
本書を「物語・フィクション」として読んでも楽しめるのはもちろんのこと、
登場人物たちの心理を自分自身に反すう(フィードバック)しながら読んでみると、
男子東大生や、事件後に被害者となった美咲を攻撃する人々の中にある“強烈な歪み”は
私たちの中にも当たり前にあることに気づかされてぞっとするのです。
 
作中の登場人物たちは、私たちでもあるのです。
彼らの生きている社会は、私たちが生きている社会と何ら違いがありません。
著者は、そんな彼らを観察対象として読者に提供しながら、彼らの日常風景の中にうごめく
目に見えない感情や違和感をつぶさに書き出しています。
著者の執念とも呼べる緻密な描写によって抉り出された男子東大生たちの中の歪みに気づいたとき、
私もまた美咲のような女性を「彼女は頭が悪いから」と非難していたことを思い知らされたのです。
 
本書を通じて、読者ひとりひとりがそういった自身の歪みを自覚し、
改めていくための足掛かりとなる物語でした。
皆さまもぜひご一読ください。
 
山本

『知りたい、に応えてくれる本』

2018-10-17
私は4冊ほど購入しました
近頃、朝食をとりながら報道番組などを見ていると、己の無知に焦ります。
 
今まで社会的な問題に関心などなく、TPPだのFTAだのと、意味の分からない単語を口にしている頭のいい人たちや、そういった報道番組などを一括りに「退屈」と題して、にぎやかで面白いバラエティー番組にチャンネルを切り替える。そういった生活をしてきて、それでいいと思っていたのに、何故か今になって報道の内容がさっぱりわからないことに危機感を覚えています。
 
「知らない」って、実はものすごく怖いことなんじゃないか。「関心がない」って実はものすごく恐ろしいことなんじゃないか。
 
例えば、今月の水道代が前の月には5000円くらいだったのに、今月になって14000円と3倍近い値段になっていた。驚いて、何かの間違いじゃないかと考えるが、請求先は我が家で間違いはなさそう。しかしこんなに使った記憶はない。なぜ?どうして?水道局に問い合わせる前に、同じような事例はないかとインターネットで調べてみたら、同じく「今月から水道料金が跳ね上がった!なぜ?」という声があちこちに。
それに対しての回答が「水道が民営化にされることになりました」
 
水道事業の民営化については賛否両論ありますし、私の拙い知識でご紹介することは控えたいと思います。
しかし、問題提起として、自分たちの生活に関わる問題において「知らない」「関心がない」「本当にヤバイことなら誰かが止めてくれるでしょ」と考えていると、ひょっとしたら私たちの水道代は来月から飛躍的に上がるかもしれません。
 
しかし、そんな危機感を募らせて「水道民営化について詳しく知りたい」と思って調べてみると、ある程度の基礎知識や教養を持っていることを前提とした解説が並び、それらが分からない私は更に理解できない言葉について調べる…という途方もない作業を行わなければなりません。こうなると、知りたいという気持ちもすっかり萎んでしまい、戦意喪失して立ち尽くしてしまうのです。
 
自分の知識不足、その悔しさから、もっと日本には、政治とか労働とか、自分たちの生活にとって重要な役割を果たすものへの知識・理解を深める教育が、大人にも子どもにも必要だ!と強く感じてみたところで、今自分が理解する機会はつかみ損ね続けています。

そうした時に岩波書店の岩波ブックレット・ジュニア新書を見て「これは」と思いました。
 
岩波ブックレットは「はじめの一歩、初めの一冊」を謳うとおり、ページの平均が70前後、価格も500~600円前後と、文章量・価格ともに読書が苦手な方でも手に取りやすく「〇〇とは一体何か。そしてどういうものなのか」を知りたい方のための、とっかかりとなってくれるものです。
 
岩波ジュニア新書は、もっとこの事柄について深く掘り下げたい・知りたい、でも難しく書かれるとつまずいてしまうという方におすすめです。中高生を対象に作られたものなので、内容も比較的易しいものになっており、わからないの連鎖…という絶望感は格段に減ると思います。ブックレットよりページ数が多いため、価格も800~1000前後と少し上がりますが、1冊読み終えればその事柄についての基礎知識はついたと言っても過言ではありません。
 
ブックレット、ジュニア新書のどちらも岩波書店ホームページにて、新刊や過去に発刊したものの一覧が見られますので、皆さんが知りたい、または知っておくべきだと感じる事柄について扱った本をぜひ見つけてみてください。
 
山本
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